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人文学のための古代DNAセミナー
開催日時:2022年1月28日(金)16:00~19:00

プログラム:
司会:廣川和花(専修大学)
16:00~16:10:宮崎千穂(北海道大学)「趣旨説明」
16:10~17:10:水野文月(東邦大学)「生物遺骸に残された"DNAの記録"を読み解く」
17:10~18:10:澤藤りかい(総合研究大学院大学/日本学術振興会)「古代の病原体DNA解析——その動向と評価について」
〈休憩〉
18:20~19:00:総合討論

開催趣旨:
近年、自然人類学や古病理学の分野では、古代DNA(古代の生物標本から抽出されたDNA)解析の手法によるヒトの遺伝的関係、感染症の起源や伝播などについての研究がめざましい発展を遂げており、それにもとづく新たな人類史像が提示されています。黒死病や梅毒などの病気の起源や伝播ルートおよびその年代などについても、従来の文献史学が明らかにしえなかったことが次々と明らかにされています。歴史学や考古学などの人文学分野の研究者は、こうした古代DNA解析にもとづく研究成果をどのように受け止め、理解すればよいのか。自然人類学と人文学のそれぞれの手法や明らかにできることの違いや特性をふまえ、文理の融合や協働をどのようにすすめてゆけばよいのか。このセミナーでは、古代DNA・古代の病原体DNA研究のまさに最先端におられるお二人の研究者に、人文系の研究者が知っておくべき基礎的知識から、研究手法、論文読解のポイントなどについてご講演いただきます。

報告要旨:
(水野)
古代DNA研究は、1984年、博物館に保管されていたクアッガ(絶滅したシマウマの一種)の組織からDNAを抽出したことから始まったといわれています。生物遺骸のDNAを直接的に分析することで、「過去に生きていた生物のDNAの記録」を読み解くことが可能となります。当時の分析手法では数百塩基しか読み取ることができませんでしたが、今世紀に入り、次世代シーケンサと呼ばれるハイスループットな分析機器の登場によって、大変革が起きました。その結果、「古代DNA分析から古代ゲノム分析へ」の大きな飛躍が生まれました。現在、世界各地の様々な時代の遺跡から出土した多様な生物遺骸の塩基配列情報が解読され、得られる情報が量質ともに変貌し、個々の"DNA"から総体としての“ゲノム情報”へと拡がることで、新たな時代を迎えようとしています。本セミナーでは、用語や研究手法を含めて、古代ゲノム研究の一端をご紹介したいと思います。
(澤藤)
古代の病原体について、DNA分析など理化学的手法を用いた研究成果が近年増えています。これらの内容は人文学においても重要な意味を持つ一方で、それをどう評価するべきなのか、どのように研究成果を探せばいいのかという具体的な方法についてはあまり論じられることがありません。本発表では、古代の病原体DNA解析の動向を紹介するとともに、実際の研究例を取り上げ、論文の評価の仕方・読み解き方について解説します。また、専門分野の研究者がどう論文を探し、評価するのかなど、より高次の視点の「論文の読み方」についても論じる予定です。

【主催】科学研究費基盤研究B「近代ユーラシア高緯度帯の風土病とそのパンデミック化:帝国医療研究の拡張を目指して」(宮崎千穂: 21H00500); 科学研究費新学術領域研究 (研究領域提案型)「出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明」(松本直子: JP19H05731)
【共催】北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター; 岡山大学文明動態学研究センター; 科学研究費基盤研究B「「14世紀の危機」についての文理協働研究」(諫早庸一: 21H00555)

Jan 28, 2022 04:00 PM in Osaka, Sapporo, Tokyo

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