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【第3回】2022年度公開講座「溶解する帝国——ロシア帝国崩壊を境界地域から考える」
日 時:2022年5月16日(月)18:00−20:00
演 題:イスラーム教徒と帝国の戦争
講 師:長縄 宣博 (北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター 教授)
要 旨:
イスラーム教徒と戦争というとジハードを思い浮かべるかもしれません。イスラーム教を奉じる世界を拡大するために異教徒に対して行う聖戦です。では、ロシアに住むイスラーム教徒は戦争ばかりしてきたのでしょうか。

2022年はロシアのイスラーム受容1100年の記念行事が計画されているように、ロシアとイスラーム世界との接触の歴史は長く、ロシアの中にまとまったイスラーム教徒を抱え込むようになってからも、470年ほど経ちます。ロシアは、ヴォルガ川とウラル山脈に挟まれた地域を16世紀半ばに征服して以降、350年ほどかけてシベリア、クリミア半島、南北コーカサス、中央アジアを吸収しました。もちろん、数十年も続く激しい抵抗運動もありましたし、17世紀に始まるロマノフ王朝が最も多く戦争したのもオスマン帝国です。しばしば同信者との戦争にも兵士として参加したロシア帝国のイスラーム教徒は、どのようにロシア国家の中に統合されてきたのでしょうか。

今回の講義では、ロシアと苦楽を共にしてきた最も古いイスラーム教徒として、ヴォルガ・ウラル地域のタタール人に注目します。ロシア帝国では1874年に国民皆兵制が導入され、タタール人もまた国民の一員として、その後の露土戦争、日露戦争、第一次世界大戦に動員されます。講義ではまず、帝国政府が国内のイスラーム教の権威を頼りながら、兵士と銃後を動員していた仕組みについて解説します。次に、戦争に参加した兵士たちの言葉やタタール語の言論を読み解きながら、ロシア内地のイスラーム社会が、戦争の理不尽さ、ヨーロッパの帝国が牛耳る国際秩序への疑念、国家への忠誠の揺らぎを経験していたことを示します。最後に、帝政末期に醸成されたこのような不正義に対する感情や認識が、1917年以降のロシアの革命と内戦をどのように形作っていたのかについて展望を述べます。

May 16, 2022 06:00 PM in Osaka, Sapporo, Tokyo

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